金が地金の割合を24分率で表すのに対し
銀とプラチナは千分率で表します。
スターリングシルバーは《シルバー925》の事で
イギリスの銀貨《スターリングポンド》に由来しています。
純銀(silver999、silver1000)は柔らかく加工に向かなかったり使用中に傷や変形しやすいので、銅やアルミを混ぜて硬度を出しています。
当工房では、銀の含有率92.5% 銅7.5%の《スターリングシルバー》を使っています。
シルバー製品は、空気中の硫黄分に反応し変色する性質があります。
環境によって、黄色から黒色へと変わっていきますが
スターリングシルバーが一番 硫化しにくいと言われています。
「シルバーは錆びるから使いたくない」
お客様と話しているとよく言われます
その時お客様がおっしゃっている《錆》は《鉄の赤錆》のことを指しているのだと思います。
雨や湿気によってできる一般的な錆で、赤褐色で粉状になりやすく、放っておくと錆が広がって深くまで進んでいき最終的にはおくとボロボロになってしまうアレです。
《錆》は金属が空気中の酸素と反応して酸化することで起こる現象です。特に水分があるとこの反応が加速します。
一方で鉄には《黒錆》という別の種類の錆もあります。これは高温処理でできる黒い酸化膜で、日本刀や工具などの表面処理として意図的につける「錆をつける」というのはこの黒錆のことです。
他の金属も独特の錆を作ります。
例えば《銅》は時間とともに《緑青(ろくしょう)》という美しい青緑色の錆を作ります。お寺の屋根や自由の女神などが緑色になっているのは、《緑青》が《吹いている》からで、銅を保護します。
ただし、《緑青が吹く》と有毒なので銅の調理器具には内側に錫(すず)メッキを施しています。
アルミニウムやステンレスは透明な酸化膜を作るため、ほとんど錆びる事はありません。
このように金属によって錆び方が違い、困る錆もあれば役立つ錆もあります。
大切な金属製品を長持ちさせるために適切なお手入れが大切になってきます。
「シルバー製品は黒くなるからイヤ」
というのもよく耳にします。
金属の変色は酸化だけでなく硫化によっても起こります。
硫化とは、金属が空気中の硫黄成分と反応することで起きる現象です。とくに銀や銅は硫化しやすい性質があります。
実は、純銀は硫化の進行が遅い金属です。
しかし普段目にする銀製品のほとんどが、強度を高めるため銅を混ぜた合金(鋳金工房ではスターリングシルバーを使っています)で出来ていて、この銅が硫化することで比較的早く変色します。
シルバーのアクセサリーや食器が使わないうちに黒くなってしまうのはこのためです。
一方、銅は単体でも非常に硫化しやすく、黒や赤紫かかった色に変化します。
変色を防ぐために、《袋に入れて空気に触れさせない》・・・というのが一番簡単な方法です。
使っているときは、(硫黄分を含んだ温泉地以外)比較的変色しにくいのでアクセサリーは外したらお付けした袋で保管してください。袋に入れておけば傷がつくこともなくなるのでお勧めです。
また、ロジウム加工を施しことで変色を防ぐこともできますが、銀本来の色味ではなく《プラチナ》のような色合いになります。一般のお店で売られているアクセサリーの多くは、ロジウムメッキが施されているため変色しにくいのですが、鋳金工房のアクセサリーはロジウムをかけていないため、素材そのものの質感や経年変化を楽しむ事ができます。
気になる色に変色してしまった場合は、歯ブラシに歯磨き粉をつけて磨くことできれいにすることができます。ただし、使っているルースによっては傷がついたりすることがあるのでお問い合わせください。
しかし、硫化は避けるべきものではなく楽しむこともできます。銀や銅は薬品を使って意図的に硫化させたり、時間をかけて自然に変色させたりすることが可能です。
特にシルバー製品は、こまめにお手入れしながら好みの色に育てていくことで、自分だけの風合いを楽しむことができます。
鋳金工房
~たったひとつのアクセサリー~
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